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豊かな内水面水産資源の復活のために −宍道湖からの提言

3,850円

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ISBN 978-4-909119-15-5 A4判/148ページ 山室真澄:編著 ●宍道湖ではかつてシジミの漁獲量が1万トンを超えていましたが,平成に入って漁獲規制が次第に強化されたこともあり,ゆるやかに減少を続けました。そして,平成18年の豪雨の影響による大量斃死以降変調をきたし,漁獲規制の強化を行って資源を保護してきたにも関わらず,平成24年には過去最低の1,700トンまで落ち込みました。  島根県では,平成24年度から県内外の汽水域の環境および生物の専門家11名で構成される「宍道湖保全再生協議会」を組織し,総合的なアプローチによりヤマトシジミ資源急減や宍道湖で近年起こっているさまざまな現象の原因を科学的に解明し,その結果に基づいて宍道湖の復活につながる提言を行うことをめざしました。同協議会が活動を開始して2年目になる平成25年秋にはヤマトシジミ資源が急回復し,協議会終了時には近年発生していたさまざまな現象についても科学的な解明が進みました。  このプロジェクトにより解明された内容の多くは汽水湖だけでなく,淡水湖や河川も含む日本の内水面漁業が抱えている現象に共通しています。本書で解説される宍道湖のヤマトシジミ資源の回復や魚類減少の一因についての提案は,日本の各所で低下がみられる内水面水産資源環境の改善につながるヒントになるでしょう。(本書「はじめに」より抜粋,改変)  刊行にあたりプロジェクトの研究内容を編集しなおし,内水面の漁業や環境の現場に携わる関係者はもちろん,関心のある一般の人にも読みやすくまとめました。 ●目次● はじめに 【第1部 宍道湖の環境動態】 第1章 宍道湖における流動数値シミュレーションモデルの改良 第2章 宍道湖および神西湖における光合成色素分析による植物プランクトン組成 第3章 宍道湖への有機汚濁負荷となりうる斐伊川河岸植生の特性 第4章 宍道湖堆積物の有機物濃度とそこに住む動物の近年の変化 【第2部 ヤマトシジミの生理・生態】 第5章 ヤマトシジミの好適餌料の推定および数値シミュレーションによるヤマトシジミ浮遊幼生の輸送・生残実験 第6章 宍道湖におけるヤマトシジミの摂餌,排出と消化に関する研究 第7章 宍道湖におけるヤマトシジミなどが含有する脂肪酸に関する研究 第8章 ヤマトシジミ資源の推移と環境要因 第9章 ヤマトシジミに対する貧酸素および硫化水素の影響 【第3部 ヤマトシジミと環境】 第10章 塩分が影響する宍道湖のヤマトシジミの稚貝数増加と成長速度 第11章 ヤマトシジミの移動に関する流動実験および浅場整備と水草が流動に及ぼす影響 第12章 宍道湖におけるヤマトシジミ稚貝の移動実態と水草類が移動に及ぼす影響 【第4部「宍道湖ヤマトシジミ統合モデル」の構築】 第13章「宍道湖ヤマトシジミ統合モデル」の構築 まとめと残された課題 コラム 宍道湖の概要/漁獲物としてのヤマトシジミ/宍道湖の水中植生の特徴/ヤマトシジミの生活環/ヤマトシジミからみた浅場の特性/宍道湖湖沼水質保全計画 〈著 者〉 編著者  山室真澄(東京大学大学院新領域創成科学研究科) 著者(五十音順)  浅枝隆(埼玉大学名誉教授)  石飛裕(特定非営利活動法人自然と人間環境研究機構)  井上徹教(国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所港湾空港技術研究所)  大谷修司(島根大学教育学部)  笠井亮秀(北海道大学水産科学研究院)  管原庄吾(島根大学大学院総合理工学研究科)  清家泰(島根大学名誉教授)  谷幸則(静岡県立大学食品栄養科学部)  浜口昌巳(国立研究開発法人水産研究・教育機構瀬戸内海区水産研究所)  矢島啓(島根大学エスチュアリー研究センター)  島根県水産技術センター  島根県保健環境科学研究所

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