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稚魚学とは何なのか、これから魚類学を学びたい、学ぼうという全ての方へ向けた入門にもなる一冊です。
目 次
はじめに[青海忠久]
1章.なぜ今,稚魚学なのか
1.1 稚魚学をとりまく情勢と展望[中山耕至・原田慈雄]
1.2 個体発生と系統発生[原田慈雄・中山耕至]
1.3 Hjortの初期減耗仮説と初期生活史研究の重要性[髙須賀明典]
1.4 稚魚学が日本の水産業を救う? ― 種苗生産の現場から[青海忠久]
・コラム 1:魚類系統分類学のあゆみ[尼岡邦夫]
・コラム 2:稚魚学偉人列伝 ~卵仔稚魚研究の濫觴~神谷尚志と中村秀也[河野 博]
・コラム 3:稚魚学偉人列伝 内田恵太郎[望岡典隆]
・コラム 4:稚魚学偉人列伝 水戸 敏[望岡典隆]
・コラム 5:稚魚学偉人列伝 仔稚魚から探る日本海の生物生産機構
~ダイナミックに展開する果てしない夢~沖山宗雄[南 卓志]
2章.稚魚形態学入門 ― 親と異なるかたちを解読するはじめに
2.1 発育段階とその読み方[木下 泉]
2.2 各部位の名称と計測・計数方法[河野 博]
2.3 仔稚魚の分類・同定[木下 泉]
2.4 特徴的な各分類群のかたち
2.4.1 浮性卵の卵門[平井明夫]
2.4.2 レプトケパルス仔魚[望岡典隆]
2.4.3 ニシン目[乃一哲久]
2.4.4 コイ目[酒井治己]
2.4.5 カサゴ亜目・カジカ亜目[永沢 亨]
2.4.6 タラ目[髙津哲也]
2.4.7 ハゼ目[前田 健・原田慈雄・加納光樹・横尾俊博]
2.4.8 カレイ目[大美博昭]
2.4.9 イボダイ亜目[岡本 誠]
・コラム 1:カレイの変態異常は魚たちからのレッドカード〜飼育屋の反省〜[有瀧真人]
・コラム 2:チリモン観察のノウハウ プロフェッショナル編[日下部敬之]
3章.どのように研究を行うのか ― 採集からサンプル分析までのノウハウ
3.1 採集方法3.1.1 岸近くでの採集[加納光樹]
3.1.1 岸近くでの採集[加納光樹]
3.1.2 藻場や流れ藻における稚魚の定量採集と魚類成育場機能の評価[上村泰洋]
3.1.3 灯火採集[岡 慎一郎・揖 善継]
3.1.4 着底期稚魚の餌となる近底性ベントスの採集[広田祐一]
3.1.5 沿岸域での船舶を用いた採集[木下 泉]
3.1.6 沖合域での大型調査船を用いた採集[広田祐一]
3.2 標本の作り方[猿渡敏郎]
・コラム:Box 1 竹ピンセットの作り方[揖 善継] ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 139
Box 2 双眼実体顕微鏡の調整方法[猿渡敏郎] ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 141
Box 3 中性ホルマリンの作り方[猿渡敏郎] ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 141
3.3 スケッチを描く[加納光樹・原田慈雄]
3.4 二重染色透明骨格標本の作り方[河野 博]
3.5 写真を撮影する[荒山和則]
3.6 耳石から誕生日や成長を探る ― 耳石の取り出しから研磨,観察のノウハウ [飯田 碧・斉藤真美]
3.7 食性調査
3.7.1 消化管内容物の観察[髙津哲也]
コラム 1:食性と生残との関係〜土佐湾でのアユ仔魚の事例〜[八木佑太]
3.7.2 メタゲノム分析 [児玉武稔]
3.8 潜水観察[堀之内正博]
4章.稚魚から見える世界
4.1 ウナギ目:レプトケパルスとは何か
4.1.1 レプトケパルスという名称の由来[望岡典隆]
4.1.2 レプトケパルスの変態過程[田和篤史]
4.1.3 外洋域におけるレプトケパルスの分布様式[高橋正知]
4.2 イワシ類:資源変動[中村元彦]
4.3 個体発生の構造:コイ科魚類[酒井治己]
4.4 アユ仔稚魚の生態
4.4.1 南国土佐のフィールドから[東 健作]
4.4.2 関東屈指の天然アユ河川が注ぐフィールドから[荒山和則]
4.5 中深層性魚類仔魚の生態 ― 特にハダカイワシ科の時・空間分布 ― [佐々千由紀]
4.6 南の島の魚類生活史学[立原一憲]
4.7 イカナゴ:資源管理と環境変化の間で[日下部敬之]
4.8 Goby problem への挑戦4.8.1 マングローブ水域のハゼ類群集[横尾俊博]
4.8.1 マングローブ水域のハゼ類群集[横尾俊博]
4.8.2 仔稚魚からの発見―ミミズハゼ属の事例[前田 健]
4.8.3 未知の仔稚魚を採集する―ウキゴリ属の事例[原田慈雄]
4.8.4 ヌマチチブの初期生態を探る:淡水湖での回遊と成育場[加納光樹]
4.9 マグロ研究の現場から
4.9.1 クロマグロの生物学[田和篤史]
4.9.2 クロマグロの種苗生産と飼育実験[田中庸介]
4.9.3 調査船で採集された仔魚を用いた研究[石原大樹]
4.10 カレイ目魚類の形態と生態[冨山 毅・南 卓志]
4.11 琵琶湖のホンモロコの初期生活史[亀甲武志・石崎大介]
4.12 有明海特産ハゼ科魚類[八木佑太・東島昌太郎]
おわりに ― これから稚魚学をはじめる方へ ― [原田慈雄・加納光樹・田和篤史]